海賊と呼ばれた男

「日章丸だ」
鐵造が呟くように言った
「日章丸をアバダンに送る」
……彼は今、国岡鐵造という一代の傑物の、
生涯で最も美しい決断の瞬間を見た、と思った

海賊とよばれた男 上

海賊とよばれた男 上

私はこの作品を、講義中に読みました。
折しもクリスマス、上下巻で構成された下巻の後半です。
黒板を前にした先生のお声が知らぬ間に遠くなっていき、狭い机を分け合うように座っていた友人たちの間で、私はひっそりと眼鏡を外し、熱い何かが零れないよう袖で目じりを拭いました。

恥ずかしい。
その気持ちが、徐々に胸の内に広がりました。
仲の良い学友たちの前で涙した事、これほどの本を一人で静かに触れられなかった事、日頃注意している感情のコントロールすら手放してしまった事。
その項目の中に、大切なお話をされていたであろう教授の講義を聞き流してしまった事が含まれていない私は、すこしいけない子です。

でも…。
本当に、久しぶりだったのです。
我を忘れるほど、何かにのめり込んだのは。
涙を流すほど、何かに心揺さぶられたのは。
私がまだ少年であった頃、感じやすい性質であった頃は、よく慣れ親しんだあの感覚。
感情の抑制を、精神の防御を身につけるに従って遠く離れて行ったあの感覚。
それが、あの時の私の全てでした。
『海賊と呼ばれた男』。
出光石油の創始者出光佐三。劇中では国岡鐵造と表現された男の人生。
その一端に触れた時、万感が胸中に迫って、そして、私は我を失いました。



これは、国岡鐵造の物語です。
そしてまた、日本という国が国際的な立場で石油エネルギィを獲得する物語でもあります。

彼は、石油がまだエネルギィの主流ではなかった頃からその価値に目を付け、それこそ裸一貫で戦前、戦中、戦後を通して、石油とがっぷり四つに取り組んでいきました。
様々な障害があり、様々な挫折がありました。
様々な勝利があり、様々な栄光がありました。
そしてその中にあってひと際映える、国岡鐵造という男の人格がありました。
 
私には、正直に申しまして、石油について、今日かまびすしいエネルギィ問題について、なんら詳しい所のない人間です。ですので、この観点から本書を分析する事は出来ません。
ですが、たった20数年とはいえ生きてきた人間として、ミスター・クニオカから受けたものは、けっしてけっして、小さいものでは御座いませんでした。

ここには、彼という一個の人格を浮かび上がらせる様々な―――枚挙に暇ないほど沢山の名エピソードがあります。
少年の頃の気付き。
親元からの独立。
五里霧中の学生時代。
生涯のパトロンでありもう一人の父親たる日田との出会い。
初めての勤め先。
旧友からの罵倒。
独立そして国岡商店の設立。
寺小屋のような教育。
目映い水面を走る海賊時代。
融資をめぐる…まるで禅問答のような、銀行社長との会話。
他国石油会社との満州での鬩ぎ合い。
石油スタンダードとの国際舞台での斬り合い。
上海。
そして戦争という化け物との戦い。
敗戦。
圧倒的宣誓。
ラジオ会社としての看板。
いつまでも語りつがるべき…タンク底での石油さらい。
復権を遂げてゆく国岡商店。
バーサス石油統制会社。
バーサス国際石油メジャー・セブンシスターズ
冒頭にも上げた…最も美しき決断、イラン石油。
魂の震えた、10か月での製油所完成。
代替わり、バトンタッチ。
そして次代へ。

そこには、国岡鐵造がいました。
信念を持った人物、超能力者のような人物、大教育者たる人物、禅問答のような人物、挫折した人物、立ちあがった人物、妻を娶った人物、妻と別れた人物、只の一人も解雇しなかった人物、常に常に日本を見据えた人物、巨大な人物…
多面的で、巨視的で、頑固で、清廉潔白で、先陣を切り戦い抜いたその人格は、ただただ、私を圧倒しました。


…このような空疎な言葉をどれほど並べても、仕方がありませんね。
しかし、そろそろ内に納めるのも限界だったんです。
何を伝えようとしたわけでもない、何がなんだかわからないこの文章。
どうしようもありませんね。

ただ、私は本書に触れて、涙した。
ただ皆様に、本書の存在をお伝えしたかった。
ただそれだけ。
ただそれだけすら全うしかねる程度の私ではありますが。

『海賊と呼ばれた男』

きっと生涯、折に触れ、本書を読み返し、国岡鐵造にお会いしたくなるのでしょう。
この巨人から、厳しく、優しく、お叱りを受けたくなる。
そんなことではいけないぞ、と。

そう、思うのです。

読了。
再読多数。

Fate hollow-ataraxia

>―――今日、ホロウ・アタラクシアの夢を見ました


同情するなら愛をくれ
プリーズ・ラブ・ミーである


それでも。
命には価値がある
悪を為す生き物でも
人間に価値がなくても、
今まで積み上げてきた歴史には意味がある
いつまでも間違えたままでも、
その手で何かができる以上、必ず、救えるものがあるだろう

前から思ってたんだけど。
あなたって、ロックスターみたい

よくわからない例えだが、星というのは悪くない
それは、俺が見ることのできた数少ない輝きだ

そういえば。
宮司郎にもこれと似た記憶があった
二人で、長い長い階段を登っていく
あれは、いつのことだったのだろう


彼方を目指す旅のようだ
遠い遠い空を目指して
長い長い階段を登っていく


まったく。
少女趣味もあそこまでいくと脱帽だわ

月まで届く階段を手に手をとって
歩いてゆく王子様とお姫様


舞台はハネた
もう主役でいる必要もない

考えてみればたった4日だし愛着もわかないか
じゃあな



また会おうぜ、カレン
そん時はご要望通りもう少しは紳士的になってるからさ

ええ
さようなら
アンリ・マユ



頑張ったヤツが報われないのはいやなんだ

そう言ったのは誰だったろう



俺は正義の味方だからな
どうでもいい誰かの方が大切なのさ

信じられない
貴方、正気

んー、どうも
正気で本気らしいな
ホント、とんだ化け物だよ、コイツ


まあ、なんだ、
俺は本当にゴメンだが。
一人くらいはこういう馬鹿も、いてもいい



命の分だけ幸あれと。
小さな幸福では割りに合わないと叫んでいる


―――それでも俺は。
そこに、意味があってほしいと、願っていたのではなかっただろうか



それでは貴方は、
私に苦しみ続けろ
と言うのですね

当たり
言ってなかったけどさ、アンタのあがく様が大好きなんだよ

それはそれは
隠し事の下手なことだ

そう言うなよ
悪魔の身ゆえ、甘言で人をたぶらかすんだ

なるほど
今の私のまま生きろ
というのは、確かに甘言以外の何物でもない



うん、これでいいかな
望みうる限り、最高の別れ方だ

彼女を抱いたのは欲情と怒りから。
彼女に構ったのは嫉妬と憧れからだ



ぱちぱちぱち

ご静聴、感謝します
彼女は嬉しそうに言った

なんだ、
こんなことで良かったのか

マクロスF

何年か前に書いたものの放出。


『ダイアモンド・クレバス』

歌手:May'n
作詞:hal
作曲:菅野よう子


神様に恋をしてた頃は
こんな別れが来るとは
思ってなかったよ
もう二度と触れられないなら
せめて最後にもう一度
抱き締めて欲しかったよ

It's long-long good-bye...

さよなら さよなら 何度だって
自分に 無情に 言い聞かせて
手を振るのは優しさだよね
今 強さが欲しい


あなたに出会い 
STAR輝いて
アタシが生まれて
愛すればこそ
アイあればこそ
希望のない 
奇跡を待って
どうなるの
涙に滲む
惑星の瞬きはgone...

忘れないよ あなたの温もりも
その優しさも 全て包んでくれた両手も
It's long-long good-bye...

さよなら
さよなら
愛しい人
あなたが
いたから
歩いてこれた
ひとりなんかじゃなかったよね
今 答えが欲しい

燃える様な流星
捕まえて
火を灯して
愛していたい
愛されてたい
冷えたカラダひとつで
世界は どうなるの
張り続けてた
虚勢が溶けてくlong for...

どうしてなの
涙溢れて止められない

もし生まれ変わって
また巡り合えるなら
その時もきっと
アタシを見つけ出して
もう二度と離さないで
捕まえてて
ひとりじゃないと
囁いてほしいplanet...



こんなプロット考えついた人、マジ天才
こんな企画立ち上げた人、あたまおかしい
こんな作品作り上げた人たち、たが外れてる
いや、もう、なんなの、これ


(↓)

見始めた頃。
まあ、つまり、
「神様に恋をしてた頃」。

このアニメって。
『white-album』なんかなあ、
コードギアス』なんかなあ。
どっちかなあ。
なんて考えてました。

でも、蓋を開ければあら不思議。
風の谷のナウシカ』でしたよ。
全宇宙規模の。
まじかよ。

(↓)

ランカがナウシカ
で、シェリルってクシャナだよね。
それがまさか恋の鞘当してますよ。
歌で。アイドルで。24話も使って。
ナウシカファンには垂涎だという話。
つーか。もう抱いて!好きにして!という話。

ホワイトアルバム』は。
マクロスF』から、ロボとか宇宙とか、
そういう
SF分を抜いたような作品。

故に恋愛劇の純化が、もう、
アンビリーバブル。
由記がランカ。で、理奈がシェリル。
そう。アイドルっつーのは、
こういうもんだ。
心底そう思い、心底惚れ込んだ。

最近アニメ化された。リメイク。
初お披露目は10年前。
君が望む永遠』の前身と専らの評判。
「ここがあの女のハウスね」
「彼を返して!彼を返して!」
なる名セリフで有名。
でもリメイク版アニメじゃカット。
まあ、些事である。
そんなことより。

いいよね、多角関係。
いいよね、昼ドラ。
でも何故か高尚。
何故か気高い。
なんじゃこりゃあ。


コードギアス』は。えーと。
シェリルランカとアルト。
この男女関係が逆転したようなアニメ。

群像劇にも程がある、というか。
最近の若い子はこれで
フィクション文法を学ぶんだね、というか。
女の子めたくた可愛い、というか。
戦闘中の哲学ぶつけ合いは至高、というか。

SFぽさはそのまんま。
すこーし『ガンダム』テイスト、
かもしれない。
テロによる政治力学の転倒、というか。
最終的には、
神様なんていらねえよ、
とか言い出す。
でも祈る。
うっかり泣いた。
なんじゃこりゃあ。



(↓)


で、まあ。
ちょいと語りたい。
こげなもん勧めてくれた
先生への感謝と。
溢れそうな作品への愛情とを
ない交ぜにして。
明日へと羽ばたく
翼とするために。

魂の咆哮。
マクロスFへ捧げる恋歌。
漢オタクのラップ、スタート。


(↓)

……と、まあ。
意気込んでみたは良いものの。
実の所、『マクロスF』の何に
これ程までに心惹かれてるのか。
ほんとう、なぜでしょう。
わかるような。
わからないような。
とりあえず、魅力を列挙。

・気合いの入ったメカCGや背景。
・SFマインドあふれる舞台設定。
・〝歌で銀河を救う〝破天荒な魂。
・腰の砕けそうな歌…メロディや歌詞、声。
・それを最大限に活かす物語の流れ。
・子供→大人への通過儀礼。実存の悩み。
・それを軸に展開する群像劇、恋愛劇。
・気の利いたBGM。
・何よりお約束な大迫力ロボバトル。

枚挙に暇ない。
そりゃあ楽しい。
楽しいが。
だから好きだったのかと
聞かれれば、どうでしょう。
それらは、あくまで導入。
もしくは、装飾。
じゃあ、本質は?

(↓)

何より一番スゲーと思ったのは、
えーと、ほら、なんだ。
あの、気恥ずかしさ、とでも言いましょうか。

・純然たる少女まんが。
・完膚無きラブストーリィ。
・脈々と継承されたロマンティック。
・宇宙大の少女趣味。

……もう、ね。
恥ずさの極地。
男が少女まんがなんて、ハッ。
みたいな常識どこ吹く風。
この、好きなものは好きなんだ!なーんて
スタッフの声が聞こえてきそうな
・情熱、
・魂の咆哮、
・愛の絶叫、
・人生断崖絶壁。

――――――これが。
面白くない筈がない。

(↓)

6話。「バイバイ、シェリル」
1話リメイク。
12話。「キラッ☆
6話リベンジ。
15話。「what 'bout my-star」
未だ至らぬクライマックス。
20話。「ダイヤモンド・クレバス」
12話アベンジ。
24話。「ライオン」
まだ見ぬ明日を。
リスタート―――

(↓)

遥か遠くに思える第2話。
「私はシェリルよ」
「やっぱり可愛いわね」
……あの時点から決まっていたであろう20話。
「あなたが希望の歌姫だというのなら
「私は絶望の中で歌ってみせる」


もしくは第1話。
三人の出会い。
おそらくは必然に導かれる、
おしむらくは不完全なトライアングル。

第15話。
「ありがとう」
「私だって感謝してるわ」
惜しみなく称賛されるべき、
様々なものを経て辿り着く〝お終い〝。
もしくは、〝これから〝。

第24話。 ―――『ライオン』
「ばか」
「生き残りたい」
「お前たちが俺の翼だ」
「私、負けません」
「ばかが飛んで行くわ」


(↓)


そこで、少し、思うのです。
あらゆる要素、あらゆる流れが、

たった数十秒のライブ。
アイドルが歌を歌う。

ただそれだけのために存在したのではないか。
なーんていう、世迷い言を。


……だって、しゃあない。
感動しちゃったのだ。
時空を突破して歌うランカに。
絶望の底で歌うシェリルに。
二人が歌う恋の歌に。戦いの歌に。
―――ずどん、と。
断末魔の様な満足を腹に抱いて。
感動しちゃったのだ。
あの89秒に。
ほら、しゃあない。







(↓)

まとめ。
あるいは、告白。

(↓)

せーの。






(↓)




シェリル と ランカ が 大好き だー!





(↓)

……はあ、はあ。
いや、だって、ねえ。



うん。ランカ。「キラッ☆」うおーーーーい!
やばいやばいやばいってあれ。
オーバードーズやって絶対
わかっててやってるって、あれ。

12話。星間飛行youtubeで何回見返したか。
これがおたくというものか。
これが萌えというものか。
信じられねえ。



うん。シェリル。「私の歌を聴け☆」っーーーーーーー!
う。おおおおお。おおおおおおおおぉ。
うそ、ちょ、まって、え、なに。
あかんあかんあかんて。なんやねんあれ。
カッコイイカッコイイカッコイイカッコイイ!!
ふざけんなどちくしょう、ほんまやばい。
やばいやばいあかんってほんまもうなんやのんあれ。

実は2話の時点で20話を心待ちにしてた。
絶対来てくれほんまに頼む、なんてずっと思ってた。
まさかほんまにやってくれるとは!
驚天動地のカタルシス
幸福の臨界突破。
……うっはぁ。(←最愛の断末魔)


(↓)


・執拗に反復される敗北→復権のパターン。
・複数人が同状況に追い込まれ試されるパターン。
まさにあのアニメは、マクロスF流の
アニメの文法を、放映開始時点から
ずーーーーーっと提示してくれていたのね、と。


20話。
シェリル。
ダイヤモンドクレバス。

報われた!と心底思った。
受験合格とひょっとしたら同じくらいの
報われた!感があった。
信じられないカタルシス
幸せが飽和した。
胸がいっぱいで
ご飯が食べられなくなった。
まさにあの瞬間のフォーリンラブは凄まじい。
びっくりだ。



(↓)



今更ですが。

マクロスF

これはもう、
アニメという、
存在自体うさんくさい娯楽媒体の、
一つの回答を提供してくれたのではないかな、
なんて事を思いました。
たぶん、歴史的な何かです。
まさにヤック・デカルチャー

……これって。
先代、先先代『マクロス』から
受け継がれてる「文化」なのでしょうか。
なんかそんな下敷きが感ぜられました。

だから。
このアニメを語るとき。
身勝手な批評も、
恥ずかしい感想も、
きっと必要ありません。

「見たいものを
「最高の形で
「見せてくれた」

ただその事実だけを胸に、
私達は彼らの軌跡に
思いを馳せるのです。
最大限の賞賛と感謝を添えて。


……だから。
この寂しさは、
きっと今このとき限りのものです。

自分なりの翼を広げて
自分だけの空を舞う。

それをするのは。
この胸の疼きが収まるまで、
少し、少しだけ、待って下さい。
「ばか」が「飛んで行く」のを。 ■









追記。

『white-album』
コードギアス

これらに。
ほんのちょっとでも
興味を持ってくれたなら。
なおかつ、お暇な時間が
できちゃったなら。

以下もどうぞ。

flcl(フリクリ)』
『TrueTears』



(↓)

マクロスF』→『white-album』



恋愛劇。
マクロスF』と同構造。

SF分がないだけ、
より深く、
緻密に、
もうええよって位に、
つくりこんでありますね。

キャストの歌が
シナリオを秩序立てる所なんか、
もう、しびれる。

奇しくも『マクロスF』と同技法。
ちゅーか似すぎ。
故に、対比が際立って鮮烈。

動のマクロスに対して
静のホワイトアルバム



(↓)



マクロスF』→『TrueTears』



恋愛劇。
同上。

ほら、マクロスFのラストの、
で、結局どうなったの?的な
ぼかしは、是非はともかく、
賛否両論分かれそう。

三角関係にケリを付けるには
周到な用意が必要。
でもそれって難しいよね。
上手くなんてやれねーよ、なんて。
―――腐るには、まだ早かった。


化け物が現れた。
我々を食い殺す傑物だ。
「10年に一度の傑作」なんて
評価はざら。

このような逸品が、
うっかり作られて
あっさり見捨てられるという、
日本アニメのポテンシャルは
割と既知外じみている。

「その時、僕が女にあなたは絵だというと、
「女が僕にあなたは詩だと言った」
創作たちは相互に語り合う。

 まさに、『マクロスF』と『TrueTears』を
同時期に見られたことは幸福だ。
奇跡のようなシンクロニシティ
悪夢のようなリフレクティア
継承→反復は作品の内外で発生するのだ。
脳髄が叩き割られそうな衝撃を伴って。

見るべきでしょう。
この世界は、貴方に値する。
そう信じている。



(↓)


『TrueTears』→『flcl

???

一体これは何なのだろう。



このアニメは、
この疑問に始まり、
色んな所を通過して、やっぱり
この疑問に終わる。

つまり。
一体これは何なのだろう、と。
でも面白いからいいのさー。ぎゃふん。


一体これは何なのだろう。
キャストと割り振られた立ち位置は、
間違いなく、
マクロスF』や
white album』、
『TrueTears』等
と一致する。するけど。
どうよ。大混乱。

何が違うって。
似てる所を探す方が難しい。
でも違う所を探すのも困難だ。
まあ、敢えて言えば。

(↓)

・アルトが小学5年生。
・ランカやシェリルから
 別に好かれていない。
 (むしろ都合よく利用されてる)
・全編を漂う雰囲気が、
 ラブコメ→パンクロック。

……などなど。


(↓)

分かりやすいカタルシス
あるにはある。
けど意味不明。
意味不明に始まり
意味不明に終わる。
終わったのかどうかすら不明。
いつ始まっていたのかすら不明。
何が起きたのかすら不明。
何を語ったのかすらも不明。
なんじゃこりゃあ。


全6話。
1話30分。
短い。

24話を初め3話でやって、
しかも、それ以上の話を
残り3話でもっかいやる。

反復。
反復に次ぐ反復。
されど意味不明。
説明しようとする気が
あるのかどうかすら不明。

しかし。
しかしである。

面白い。
半端じゃなく。
五臓六腑に沁み渡る。
快感。
恍惚が飽和する。
理性の臨界。

で、何が起こったのか考えてみる。
すると、なんとなーく分かってくる。
分かってきたは良いけど。
なんかもうどうでもいいや、
などという気分に陥ること必至。

まあ、無理に説明するなら。
銀河鉄道999
仮面ライダー
ルパン三世
その他諸々(ありすぎて拾い切れなかった)とを
パンクロック風味にして
マクロスFを繰り返した、という話。

というか。
見出そうと思えば、
様々なものが
透けて見える筈です。

それはやはり。
子供→大人への通過儀礼

この普遍的な命題と、
一見なんとなく、
その実この上なく真摯に、
取り組んでいるからかもしれません。


何を言ってるのか、
恐らくは、わかって
もらえないでしょう。
でもそれは当然で。
実は、僕も、何を
言ってるのか分かりません。
でも、規格外に傑作だ、
ということだけは、
なんとなーく、わかるのです。
あしからず。




さらに追記。

ハルハラハルコ。

フリクリ』のメインヒロイン。
メーテル役。
シェリル役。
宇宙べスパに乗る。
発砲も飛行も可能なベースギターで
「爆弾を乗せて落下してくる」
人工衛星」を大気圏外まで
「場外ホームラン」する。


僕にとっての。
地上最強のヒロイン。
べた惚れである。

flcl

フリクリ DVD-BOX

フリクリ DVD-BOX


そろそろこいつを紹介しようかと思います。
フリクリ
僕の何もかもを変えた諸悪の根源を。

言いたいことは山ほどあるし、思う所はそれ以上に。
愛憎入り混じった胸の内を抱えて生きていくのはそろそろ辛い。

でもまだ言葉がまとまってないので(何年経ってもそうかもしれない。実際そうだし)

とりあえず今は紹介だけ。

また後日。

やはり俺の青春ラブコメは間違っている 渡航

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)



>>「比企谷くん」不意に背中に声が掛けられた
「よろしくね」
「ヒッキー、頑張って」
その声に、言葉は返さない
ただ、適当に手を挙げて応えて、そのまま扉をくぐった
さぁ、ここからは俺の時間だ
これからの10分間が俺の時間だ
スポットライトのあたるステージは俺の居場所じゃない
薄暗い出口から続く、人気のない道こそは俺の立つべき舞台
比企谷八幡の一人舞台だ

ミスマルカ興国物語 林トモアキ



>>「でも僕はそんな、明らかに自分より劣るような馬鹿の下でなんか生きていたくないんですよ。だってそれは理性ある者として、あまりにも屈辱的で、侮辱的で、僕は想像しただけで生きるのが嫌になる。……だったら、死んだ方がマシでしょう?」

あなたも、そう思いますよね―――?

羽月莉音の帝国 至道流星

壮大なスケール
目も眩むようなビッグステージ
なによりお金、国家、その先にある見た事もない世界

雷撃SSガール
羽月莉音の帝国
大日本サムライガール
雅の婚活戦争
好敵手オンリーワン

これはなんだ、と言われたら

と答える
これはそういう話だ
あれはそういう作家だ



…えっと、端折り過ぎた?

ストーリーを答えるなら、どれもみなほぼ同じ
ごくごく平凡な人間が壊滅的な誰かと壊滅的な出会いを経て、今まで何の縁もゆかりもなかった自分が浸っている「資本主義」「現代社会」という無形の化け物とがっぷり四つ組合い闘争を繰り広げる、という。

言葉にすればただそれだけの物語だ。

キャラ立ては陳腐。
セリフだってどこかで聞いたようなものばかり。
単行本だって単価は決して安くはない。
挿絵が魅力的かというと、悪くはないがそれだけで食指の動くものではない。

では、何が?
何がこうまで惹き付けるのか?

それこそ上記した言葉そのままだ。

つまり―――「カネ」

この資本主義社会において、人を最も駆り立て、人を最も狂わせるあの形のない化け物。

まさにそれをこそ真摯に―――あるいは諧謔に満ちた視点で、描いているからに他ならない。

我々はどこから来た?
我々はどこへ行く?
我々とは何者か?

そうした問いに一定の答を与えるもの。

普段我々は何によって生かされている?
それはいったいどのようにして?
この社会はどのように駆動している?
その行きつく先は?

そうした問いに答えて曰く。

世の中なんて、ほんとうに馬鹿馬鹿しいんだよ―――


これらの本の中では、社会を、いや、人を統べるのは地球人類70億人いる中で上層中の上層0,0000000000001%に満たないウルトラ・ハイ・ソサイアティだけであり、この種の人類だけであまねく富の半数以上を独占し、あらゆる政治経済機構に莫大な影響を誇っている。

ややもすればたんなる陰謀論、黒幕がいてそいつがすべて悪いとの、善悪二元論に落ち込む陳腐なストーリーだが、そうは問屋が卸さない。

銀河全てを覆うかのような圧倒的な砂上の楼閣を支えるのは、これ以上ないほどシンプルな骨子を膨大に集めた絶望的なほど圧倒的な具体である。

つまり金。
そして愚かな大衆。
つまるところ冗談としか思えないような現行の資本主義システムである。

作者は我々が何気なく、そして無意識に絶対だと思っている社会あるいは大人の作りだしたシステム、その誤謬をこれでもかこれでもかとばかりに例を挙げ法律を示し、金を、社会を、国家を、資本主義を暴き解体していく。

その様はいっそ清々しいほどで、かつまた同時に、我々はこのような危うい基盤の上に立っていたのかと愕然とする他ない。

そしてそのめくるめく疾走の中で際限なく増大してゆくスケール。


つーかぶっちゃけ部費1000円からどうして単行本にしてたった数巻で全世界を相手取って総資金額2000兆円なんてとこまで行っちゃうんだよ!
しかも高校生が4人や5人で。
もはやギャグである。

しかしその手法はまったくもって堅牢で、少なくとも私は全く(というのは流石に言い過ぎだが)違和感を感じなかった。スケールはともかくスピードもともかくとして、その手続きは至極真っ当なものである、と。

そう断言出来てしまうほど細部が確固たるパーツで出来ていた。






……もうね、なんちゅうかね。
高校生が数人寄り集まって金を借り会社を立て事業を興しヒットさせそこで留まらずスキームを構築し会社を拡大しM&Aを繰り返し極道の頂点と知り合い国境を超え中国やロシアとガチンコで取っ組み合い既にそのころには日本がハナクソに思えるほどで、銀行どころか証券市場を創造し0,00000000001%の世界の頂点にリーチをかけ独立帝国国家を建国し現在のマネーシステムを一新させる――――――なんて。

一体どこの既知外がここまで突き抜けられた。
まだ行くのか?どこまで?おいおいそろそろいいんじゃないか?―――なんて。
きっと毛ほども思わなかったに違いない。

ただただ天元突破。
しかもそのための道具立ては実に地に足付いていて、超常的なふしぎぱわーは一切ない。
一切ない。
1歳兄。
まちがえた。
一切ない。


手を合わせて拝むだけ。
たとえかりそめにでもこのような世界が―――しかも私のすぐ
隣に―――存在しているなんて。
そう教えてくれたあなたに。

「革命部の栄光のために」

読了。
再読多数。

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)