Fate hollow-ataraxia
>―――今日、ホロウ・アタラクシアの夢を見ました
◆
同情するなら愛をくれ
プリーズ・ラブ・ミーである
それでも。
命には価値がある
悪を為す生き物でも
人間に価値がなくても、
今まで積み上げてきた歴史には意味がある
いつまでも間違えたままでも、
その手で何かができる以上、必ず、救えるものがあるだろう
前から思ってたんだけど。
あなたって、ロックスターみたい
よくわからない例えだが、星というのは悪くない
それは、俺が見ることのできた数少ない輝きだ
そういえば。
衛宮司郎にもこれと似た記憶があった
二人で、長い長い階段を登っていく
あれは、いつのことだったのだろう
彼方を目指す旅のようだ
遠い遠い空を目指して
長い長い階段を登っていく
◆
まったく。
少女趣味もあそこまでいくと脱帽だわ
月まで届く階段を手に手をとって
歩いてゆく王子様とお姫様
◆
舞台はハネた
もう主役でいる必要もない
考えてみればたった4日だし愛着もわかないか
じゃあな
◆
また会おうぜ、カレン
そん時はご要望通りもう少しは紳士的になってるからさ
ええ
さようなら
アンリ・マユ
◆
頑張ったヤツが報われないのはいやなんだ
そう言ったのは誰だったろう
◆
俺は正義の味方だからな
どうでもいい誰かの方が大切なのさ
信じられない
貴方、正気
んー、どうも
正気で本気らしいな
ホント、とんだ化け物だよ、コイツ
まあ、なんだ、
俺は本当にゴメンだが。
一人くらいはこういう馬鹿も、いてもいい
◆
命の分だけ幸あれと。
小さな幸福では割りに合わないと叫んでいる
―――それでも俺は。
そこに、意味があってほしいと、願っていたのではなかっただろうか
◆
それでは貴方は、
私に苦しみ続けろ
と言うのですね
当たり
言ってなかったけどさ、アンタのあがく様が大好きなんだよ
それはそれは
隠し事の下手なことだ
そう言うなよ
悪魔の身ゆえ、甘言で人をたぶらかすんだ
なるほど
今の私のまま生きろ
というのは、確かに甘言以外の何物でもない
うん、これでいいかな
望みうる限り、最高の別れ方だ
彼女を抱いたのは欲情と怒りから。
彼女に構ったのは嫉妬と憧れからだ
◆
ぱちぱちぱち
ご静聴、感謝します
彼女は嬉しそうに言った
なんだ、
こんなことで良かったのか