Fate hollow-ataraxia

>―――今日、ホロウ・アタラクシアの夢を見ました


同情するなら愛をくれ
プリーズ・ラブ・ミーである


それでも。
命には価値がある
悪を為す生き物でも
人間に価値がなくても、
今まで積み上げてきた歴史には意味がある
いつまでも間違えたままでも、
その手で何かができる以上、必ず、救えるものがあるだろう

前から思ってたんだけど。
あなたって、ロックスターみたい

よくわからない例えだが、星というのは悪くない
それは、俺が見ることのできた数少ない輝きだ

そういえば。
宮司郎にもこれと似た記憶があった
二人で、長い長い階段を登っていく
あれは、いつのことだったのだろう


彼方を目指す旅のようだ
遠い遠い空を目指して
長い長い階段を登っていく


まったく。
少女趣味もあそこまでいくと脱帽だわ

月まで届く階段を手に手をとって
歩いてゆく王子様とお姫様


舞台はハネた
もう主役でいる必要もない

考えてみればたった4日だし愛着もわかないか
じゃあな



また会おうぜ、カレン
そん時はご要望通りもう少しは紳士的になってるからさ

ええ
さようなら
アンリ・マユ



頑張ったヤツが報われないのはいやなんだ

そう言ったのは誰だったろう



俺は正義の味方だからな
どうでもいい誰かの方が大切なのさ

信じられない
貴方、正気

んー、どうも
正気で本気らしいな
ホント、とんだ化け物だよ、コイツ


まあ、なんだ、
俺は本当にゴメンだが。
一人くらいはこういう馬鹿も、いてもいい



命の分だけ幸あれと。
小さな幸福では割りに合わないと叫んでいる


―――それでも俺は。
そこに、意味があってほしいと、願っていたのではなかっただろうか



それでは貴方は、
私に苦しみ続けろ
と言うのですね

当たり
言ってなかったけどさ、アンタのあがく様が大好きなんだよ

それはそれは
隠し事の下手なことだ

そう言うなよ
悪魔の身ゆえ、甘言で人をたぶらかすんだ

なるほど
今の私のまま生きろ
というのは、確かに甘言以外の何物でもない



うん、これでいいかな
望みうる限り、最高の別れ方だ

彼女を抱いたのは欲情と怒りから。
彼女に構ったのは嫉妬と憧れからだ



ぱちぱちぱち

ご静聴、感謝します
彼女は嬉しそうに言った

なんだ、
こんなことで良かったのか