ハイスクールD×D

1〜13巻読了

くっそおもしろかった

でも、どうして?
 
えっと…
ハーレム願望のある男子高校生があこがれのお姉さまに誘われて悪魔になって、インフレ上等限界突破なバトルを繰り広げつつ、美少女やダチと絆を深めまくっていくのと同時に、様々な人物と拳を交わし魂をぶつけ合う…というストーリー。ああれ、どこにでもあるな、こんなの。

白眉は①絶望的に絶体絶命な局面でも決して諦めず立ち向かう主人公の男振り。②必殺技が極限までくだらない下ネタで有る筈なのに、天元突破してぐるっと回って実に粋。武装解除、乳輪語、乳力。③彼に感化されて世界がどんどん広がっていく“動機の感染”。そこには認められる、報われる、惚れられる、強くなる、実存の居場所が広がる、信念が試され果たされるという相互認証。そういうものが詰まっている。

そうか、ご都合主義でもなんでも、こういうのはやっぱりオトコノコの夢なんだな、と。
それを下心と義侠心と拳で叶えていく彼は、もうほんとに、なりたかった自分なワケで。
それに重ねわせて酔うのは確かに心地よいものだと思う。
思うじゃなくてまさにそう。

で、これをただこのまま放っておくのかと。
まさかそんな手はない。
でもじゃあ、どうする?
その気になるような可愛い女の子いないよ?
わかりやすい敵もいないよ?
ルールもわかりにくければ勝利の実感も、努力のよすがも見当たらないよ?
スーパーパワーを手に入れて、あの人のために頑張って、自分の資質と照らし合わせて独自の技を編み出して、それを発揮する場所があって、通用して、認めてもらえて、それがさらに次へと向かう原動力になる、なんて。そんなおとぎ話、ないよ?

彼は物語の主人公、僕は違う。
前提からおかしい。

さって。
どうすべえ。